ABOUT

日常でちょっと便利な商品を提案いたします。

最近は、電車の中で本を読む人がめっきり少なくなってきました。
かつては、電車が、読書に最適な空間のひとつでした。

津野海太郎著「読書と日本人」によれば、
初めて文庫が日本に登場したのは、
昭和4年に岩波書店が発売したことに始まります。ドイツのレクラム文庫を模したものでした。

哲学書、古典、国内外の名作を誰もが容易く購入できて、いつでも、どこででも読める形として定着しました。

1970年代には、角川文庫の猛追により、書籍は教養主義から商業主義へと変化します。

1980年代には、重厚長大から軽薄短小の時代となり、若者たちにとって書籍は権威主義的なイメージとして価値が薄れました。
軽妙な文体のエッセイが流行り、やがて漫画の時代へと移行します。

消化の良いものばかりだと、咀嚼力が低下することが心配です。

権威を嫌い、体制に反発するのは、若者の常です。
文化はそうして、振り子のように遷り変わってきました。

今や漫画やアニメ・SNSが主流となり、権威化しつつあります。
次の若者たちは、今の権威から逃れるように、咀嚼力を鍛える硬質な書物を欲するようになるのでしょうか?

そうであってほしいと、痛切に願っています。
形は変われども、日本人から知を欲する衝動はなくならないと思います。

やはり、電車内は読書に最適な空間です。
雨の日でも長傘が邪魔にならずに読書ができる、便利なグッズを考案してみました。

今の時代ではない?
いえいえ、これからの時代のためなのです。